天井近くまで積み上がる漫画本やアニメDVD、散乱するアルコールの空き缶−。他人の出入りを拒むかのように、沖縄から送った大量のレトルト食品が通路をふさぎ雪崩を起こしていた。 遠く離れた東京で、2度目のひきこもりに入った息子(34)の部屋の惨状に、ヨシエさん(69)=仮名=は「現実を突き付けられた気がした」。1週間かけ、泣きながら1人で掃除した。 「働きたい。東京なら働き口がたくさんあるはずだから」。2007年、沖縄本島北部の自宅でひきこもり生活4年目を迎えた息子は、精神科につなげようとした矢先、上京した。 引っ越し後、すぐ届いたのは「私服警備の職が見つかった」との一報。だが安堵(あんど)したのもつかの間、連絡は途絶えた。 異変を感じ、仕事の合間を縫って15回ほど上京したヨシエさんだが、部屋には入れてもらえなかった。沖縄から電話で都内の保健所に助けを求め、紹介された医療機関で息子は適応障害と診
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