前回(「口に出す前に考える、『システムって何?』」)で紹介した「逆システム学」は、経済や生物にとって重要なのは「多重で階層的な、開かれたフィードバック制御」なのであって、要素還元論でも全体的原理主義でもないのだ、という話だった。 個が最適に動くから全体としてうまく動くのではない。システム全体が個を制御するのでもない。個とシステムの間に「多重で階層的な、開かれたフィードバック制御」という領域があり、それこそが逆にシステムを形作っているのである。そしてそれは多分ソフトウェア開発でも同じであろうと考えた。でも正直なところ、これだけじゃあ、どういうソフトウェアを開発すればいいのかよく分からない。そこでこの問題をもう少し掘り下げて考えてみることにした。 例えば、典型的なウォーターフォール型開発プロセスでは、プロジェクトを駆動するのはプロジェクト初期に立てた要求仕様(何を作るか)とプロジェクト計画(ど