何時も掌の上。 同じ景色は一度として無い。 果たしてそんなことが許されて良いのだろうか?いや、良い。 と言う謎の反語がまかり通るこの店においては、私程度のプチ常連でも多少の緊張感はある。 外は生憎の雨。て言うかどしゃ降りだ。 本来、実家での草刈りを予定して、昼前に帰る予定が、このバケツをひっくり返した様な雨のせいで中止。 まぁ小屋を修理に来ている大工すら休みとなるレベルの雨、となればしょうがあるまい。 少し早く実家を後にし、秋田市内へ向けて車を走らせる。 ワイパー全開でなければ視界も覚束ないバチバチの豪雨をくらいつつ、山道をフルバースト。 市内に入っても雨足が弱まる気配はまるで無い。 しかし、雨の運転は疲れる。 そう、だから・・・私は癒しを求めに「あの、赤い営業中の看板」をめがけて走ったのだ・・・。 「あ、油そばのコツコツ少な目で。で、ご飯半分でお願いします。」 「は~い。」 私のコールが