ちょっとした一言で、心が通じ合うことがある。その実例を3月11日、大阪地裁で目の当たりにした。東日本大震災から11年の日だが、その話ではない。 主役は赤木雅子さん。財務省の公文書改ざん事件で亡くなった夫の赤木俊夫さんの真実を求め、国と佐川宣寿元財務省理財局長を相手に裁判を起こして2年。国は“認諾”という聞き慣れない手続きを突然持ち出して裁判を無理やり終わらせたが、佐川氏との裁判は続いている。その裁判の非公開の協議がこの日大阪地裁で開かれ、原告の雅子さんと弁護団、それに被告・佐川氏の代理人弁護士らが出席した。 この日の協議で原告側は、佐川氏の責任を明らかにするため、佐川氏本人に加えて財務省の職員5人を証人として申請する考えを明らかにした。 まず、財務省理財局の総務課長だった中村稔氏(現駐英公使)と、理財局の国有財産審理室長だった田村嘉啓氏。この2人は当時財務本省で重要な職責にあり、理財局長だ