この線がいわゆるTPP(環太平洋経済連携協定)発祥の場であることは、米国がなぜTPPに強い関心を寄せるかをよく説明する。 ちなみにこの点が、経済面に偏す我が国のTPP論からはまるで見えてこない。 TPPが天然の対中要害をなす事実に、外務省などは気づいているだろう。けれども菅内閣の誰彼にシャレた説明でもした日には、次の瞬間、「実はアレ、中国への抵抗ラインでしてネ」などとぺらぺらやりかねない。言わぬが花を決め込んでいると想像する。 主役はオバマでなくクリントン 大四角形を図示するのは後回しにし、まず指摘しておくべきは、我々の関心をオバマ大統領からクリントン国務長官へ思い切って転換しなくてはならないということである。 オバマ氏のアジア歴訪は、めぼしい成果に至らなかった。最大の失点は、米韓自由貿易協定(FTA)を仕上げるのに欠かせない妥協を韓国側から取り付け損ねたことだ。 米国産自動車と牛肉に対し
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