携帯電話の電磁波とがん発症の関連性について、世界保健機関(WHO)の専門組織、国際がん研究機関(本部フランス・リヨン)は31日、「聴神経腫瘍や(脳腫瘍の一種である)神経膠腫の危険性が限定的ながら認められる」との調査結果を発表した。WHOの組織が携帯電話に関して発がん性を指摘したのは初めて。 国際がん研究機関は、危険性の数値化はしておらず、「(最終的な結果を得るためには)今後、携帯電話の長時間使用について調査を続ける必要がある」としている。 ただ、当面の対策として「(耳に触れずに)携帯電話のメールを使うなど直接電磁波に触れないような使用方法が重要だ」と指摘。なるべく携帯電話本体に触れる時間を短くするよう勧告した。 調査は、これまでの欧米での研究、動物実験などを14カ国、31人の研究グループが検証した結果をまとめた。(共同)