📖 ヒト進化医学の入門書として使える選択肢の一つ。 ヒト身体の生物学的特徴をおさらいし、適応進化の経緯をひもときながら、かつての環境用に装備された機能が現代環境下で過不足を起こす「ミスマッチ病」のさまざまな様態を確認していくのだ。 人間の適応の多くは必ずしも、肉体的、精神的な幸せを促進するよう進化してはいない。 脳組織は自分でエネルギーを蓄えておけないため、血液から常時たっぷりと糖分を受け取らなくてはならない。血糖の供給がほんの1、2分でも止まったり、不足したりすると、取り返しのつかない損傷が生じ、死にいたることも少なくない。 疫病が広まるには大集団がなくてはならないが、それは農業以前にはありえないことだった。 睡眠不足が長期にわたって続いた場合、体内のホルモン系の反応が追いつかなくなるのだ。それらの反応は、もともと短期間のストレスに対してだけ適応的だったものだからである。 ペラグラは、