📖 現代人が考える「生死」は、わずか数世代前のご先祖には理解してもらえない。 昔の日本民は「生死」をどう考えていたのか、そして今の我々はその影にどう縛られているのか、見ておくのにたいへん有用な一冊。 飢饉の際は、一家族のうち成人ことに男がまず死亡し、つぎに子どもまたは成人女性という順に死んでゆく事例が過去帳に多い。子供にできるだけ食物を配分した結果ではないか。 男女の双生児は心中した者の生れかわりだから夫婦にしてやらねばならぬというが、一方それは近親婚であるので、そういう双生児が生れるとたいそういやがった。 方法としては、溺殺・圧殺・窒息・打撃など種々あった。死体は藁苞にして川に流したところが多く、男児には扇子、女児には杓子あるいは鋏を添えてやった。 岡山の民謡に「うまいことした また児ができた 行かずばなるまい 古松へ」古松という地名は御津郡(現岡山市内)にあって、有名な堕胎施術者がい