古代マヤ文明の都市カラクムルから見つかった絵。カカオ飲料を作って飲む様子が描かれている。(PHOTOGRAPH BY KENNETH GARRET, NAT GEO IMAGE COLLECTION) チョコレートのもとになるカカオを、人類はいつ、どこで育て始めたのだろうか? 研究者たちは長らくこの謎に関心を持ち続けてきた。 マヤ、アステカといった古代メソアメリカ文明で、チョコレートは非常に大切にされ、宗教儀式で使われたほか、カカオ豆は通貨としても用いられていた。 カカオはなぜ、どのようにして重要な地位を占めるに至ったのだろうか?(参考記事:「古代アメリカのカカオは宝石に匹敵?」) 考古学者たちは長い間、カカオを初めて使ったのも、初めて栽培したのも、メソアメリカ(古代文明が栄えたメキシコから中米にかけての地域)の人々であると考えてきた。考古学的な証拠によれば、メソアメリカで初めてカカオが使