男性の生殖能力が劣化し、精子数が年々減少している。このままいくと、やがて人類は滅亡するという「スペルマゲドン」(精子=spermとハルマゲドンを組み合わせた造語)が近年話題になっている。だが、この説には根拠がないとする論文が発表された。 誤った仮定に依拠 男性の科学者たちは、昔から自分の精巣の中身を詩的に表現してきた。「精子は脳の一滴である」と書いたのは、古代ギリシャの作家ディオゲネス・ラエルティオスだ。レオナルド・ダ・ヴィンチが描いたペニスは、精子管が脊髄に直接つながっていた。17世紀の顕微鏡学者、アントーニ・ファン・レーウェンフックは、各精子細胞の中には折りたたまれた人間が入っていて、広げられるのを今か今かと待っているのだと主張した。 やはり昔から、科学者たちは精子の衰退が避けられない状況にあることに懸念を抱いてきた。最近では、危機感をあおるような一連の報道記事に加え、ニューヨークのマ
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