チェスにおけるコンピュータとの対戦はしばしば話題になるが、将棋の世界でもコンピュータとの対戦が進んでいるらしい。 今回調査に向かった先は、静岡大学の浜松キャンパス。人工知能(AI)の研究者であり、プロ棋士六段でもある飯田弘之助教授を訪ねた。 まず、コンピュータ将棋の誕生まで遡ってみる。最初にコンピュータ将棋のプログラムが作られたのが1974年。早稲田大学の瀧沢武信教授によるものだったが、当時は超初心者レベル。その後、86年にコンピュータ将棋を研究する学会「コンピュータ将棋協会(CSA)」が、さらに90年に世界コンピュータ将棋選手権が開設されると、その実力は目に見えて進歩していったという。 飯田先生いわく「飛躍的に強くなったのは、ここ2~3年。その先駆けとなったのが、『森田将棋』『柿木将棋』『永世名人』といったソフト。今から10年以上前は10級とか、級がつけられないレベルでしたが、95、96