オリンパスは4月20日、一連の損失隠しの責任を取って全取締役が退任するのに伴い、新たな取締役候補の承認などを得るため、臨時株主総会を開いた。英米メディアはこぞってこの臨時株主総会について報じたが、その論調は一様に厳しく冷ややかだった。 米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)の記事はこんな書き出しで始まっている。 「(この総会は)茶番だと言う株主が数人いたものの、オリンパスは15億ドル近くに上る粉飾決算の発覚後、初めてとなる株主総会において会社議案を通すのにほとんど苦労することはなかった。この事実は、これほどひどい経営をする役員を許してしまう日本の投資家の『甘さ』を、(我々に)再認識させるものである」 そして記事はこう続く。 「オリンパスは、何十年にもわたり投資による損失を隠してきたことを認めた今回のスキャンダルによって、実に時価総額にして40億ドル以上を失った。にもかかわらず、同社が日本の機
バブル期の投資で抱えた約1000億円の損失を「飛ばし」という手法で10年以上隠し続け、不正な会計操作の末に処理したオリンパス事件。2011年12月に公開された第三者委員会の報告書でその概要が明らかになったが、東証は2012年1月、組織的な犯行ではなく、利益水準や業績トレンドを継続的に大きく見誤らせるものであったとまではいえないとして上場維持を決定した。 次の焦点は第三者委員会の報告書で求められた、新経営陣への移行。4月20日に開催される臨時株主総会では新経営陣の選任が議案となるが、総会に出席するために来日したマイケル・ウッドフォード元社長に今後の方針などについて尋ねた。 米国の機関投資家に「日本は三流の国」と言われた ――日本に来るのはいつ以来ですか。 (10月14日に)解職されてから4回目の来日になるのですが、1月以来になります。 ――日本に来て、どのようなことを感じましたか 状況が悪化
印刷 関連トピックスオリンパス 東京証券取引所は17日、過去の決算でうそ(虚偽記載)があったとして上場を廃止(取り消し)するかどうか審査していたオリンパス株式について、上場を維持する方針を固めた。赤字を黒字と偽るほどの悪質さはなく、株式市場に重大な影響を与えたとまでは言えないと判断した。 東証で審査を担う自主規制法人が20日にも臨時理事会を開き、正式に決める。 ただ、虚偽記載は上場規程違反のため、1千万円の上場契約違約金を求める。また、上場廃止にはいたらないが、前社長ら旧経営陣がうその決算にかかわるなど経営に問題があるため、3年以内に企業統治を改善できなければ上場を廃止する「特設注意市場銘柄」に指定する方針だ。 朝日新聞デジタルでは、以下のような関連記事も読めます。登録はこちら〈記者有論〉企業統治 監査役、これではお飾りオリンパス株、上場維持に関門不祥事契機、経営の透明化へ始動 会社
印刷 関連トピックス株主総会オリンパス 粉飾決算事件に揺れるオリンパスの複数の現役社員が取材に応じ、今の社内の様子を「事件の話はタブー。批判的なことは言えない雰囲気」と語った。メディアで発言しないよう「箝口(かんこう)令」も出ているという。 東京・西新宿の本社に勤務する40代後半の中間管理職の男性は24日、匿名を条件に国内外の報道機関のインタビューを受けた。 同社は11月以降、「マスコミの取材は広報・IR室に一元化しているので、個人としての対応はしないように」と社員に呼びかけている。しかし、「SOSを発信しなければ」と、取材に応じたという。「早く今回の問題を解決しないと顧客も社員も信頼も失い、日本経済への不信も呼んでしまう」と語った。 次の株主総会で選ばれる新しい経営者については「一点の汚れもない人で、かつ、これまでもオリンパスに貢献してきた人がいい」。だが、社内ではそうした意見を
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く