三菱重工業が、開発している国産初の小型ジェット旅客機の初納入時期を延期すると発表した。延期は六回目となるが、新しい納入期限を明示できず、事業はまさに崖っぷちに立たされた。 三菱重工の子会社、三菱航空機(愛知県豊山町)が開発中の「スペースジェット(SJ、旧MRJ)」は、今年半ばにもANAホールディングスに初号機を納入する計画だった。商用飛行には、安全性を証明する「型式証明(TC)」を国土交通省から取得する必要があるが、審査に欠かせない最新試験機の導入が設計変更などで半年ほど遅れたため、延期を余儀なくされた。過去の延期も検査体制の不備などが原因で、またしても基本的な開発能力の弱点をさらした形だ。 新たな納入時期を示さない理由について、会見した三菱重工の泉沢清次社長は「安全第一の姿勢で試験に集中し、高品質の航空機を開発していく。やれると思うスケジュールでやっている」と説明し理解を求めた。しかし、