【ソウル=竹腰雅彦】北朝鮮がデノミネーション(通貨単位の切り下げ)を突然実施したのは、急激なインフレに対処する一方、国民の隠し資産や富裕層の不正蓄財、闇市場などへの統制を強化し、体制を引き締める狙いがある。 ただ、資産を事実上没収される国民の動揺は激しく、不満が拡大する可能性も出ている。 韓国政府筋によると、北朝鮮ウォンの旧通貨と新通貨の交換比率は100対1。北朝鮮国内の金融機関で6日まで交換を受け付けるという。 北朝鮮市民の中には、生活防衛のために「タンス預金」を蓄えている人も少なくない。これに対して、当局はデノミで1人あたりの交換額を制限しており、上限額は、各世帯の月々の生活水準とほぼ同じ10万ウォンという情報もある。それ以上のお金を保有している場合、紙幣は紙くずになる。 「本当にあきれた。インチキだ」。韓国の北朝鮮専門インターネット新聞「デーリーNK」によると、市民には大きなショック