岸田文雄首相は29日の参院予算委員会で、関東大震災時の朝鮮人や中国人の虐殺を巡り、事実関係への具体的言及を避けた。外務省に関連文書が残っていると社民党の福島瑞穂氏がただしたのに対し「特定の民族や国籍の方々を排斥する不当な差別的言動は許されない」と述べるにとどめた。 福島氏は外交史料館所蔵の資料を基に、1924年当時の外相が在中国公使に宛てた電報などに慰謝料を支払った記録があると言及。「殺害を事実として認めたのではないか」と指摘した。上川陽子外相は「事実関係を把握できる記録が見当たらないとの立場に変化はない」と語った。