情報は流れてくるものではない。 現代と違い、少し前までは情報など庶民には降りてこないものでした。 下町の人間は、半径500M の世界を知るのがせいぜい。 この物語は、そんな下町の飯屋の息子が魔術師になるため、伝手もなく旅に出る所からはじまります。 (すみません。まだ80話までしか読んでいません。それを踏まえて) そこまでは、タイトルの魔術を使えるようになるどころか片鱗さえも見つけられない物語。でもそれがいい。 少年の特殊能力?は記憶力と観察眼。それもチートではなく飯屋で働いて身に着けた技術。 それだけを武器に、人と出会い、情報を得、知識を学び成長してゆく。 骨太の本格的なジュブナイル。安易なファンタジーとは一線を画す筆力と構成。 子供の頃、図書館で古典のSF小説を読んでいた時のドキドキ感を思い出させました。 必ず名作として残る。そんな期待をいだかせる本格派のファンタジー小説です。