聖スノーデン、晩さん会の席にて脳卒中を起こす。それが歴史に残された事実だった。 その時、スノーデンは急に立ち上がり、何かを口走ろうとして意識を失った。 「どうして――?」 テーブルの食器の上に崩れ落ちたスノーデンは、既に息絶えていたと言う。 ◆◆◆ <スノーデンが死んだ> 聖教会の大聖堂、その祭壇の前に大司教が跪いていた。頭の中に、響くのは全能なる神の声だ。 声は音ではなく、「意味」として頭の中に浮かんでくる。声に性別はなく、老若もなかった。 「何と! スノーデン様が?」 <騒ぐな。既にスノーデンの役割は終わっている> 大司教に語りかけているのは、ジェーンが「神の如きもの」と呼ぶ存在だった。 神であるならば、語りかける必要はない。大司教は神(世界)の一部であるはずなのだから。 あえて語りかけているという事実が、「神の如きもの」もまた1つの「個」であると証明していた。 しかし、大司教に疑いは