講師:「それじゃあ早速俳句の方、お勉強しましょうか?」 生徒:「あぁ、はいぃ」 講師:「お題はですね、『トリあえず』で考えてみてください」 生徒:「『トリ……』」 講師:「大竹さん、『トリあえず』ですよ。カタカナ部分を立ててもいいですし、普通に『とりあえず』と使っても構いませんよ」 生徒:「あ、はいぃ」 講師:「それでは、できた方から――」 生徒:「はいぃ!」 講師:「早いですね。それじゃ、大竹の奥様からどうぞ」 生徒:「『とりあえず わたしの俳句 詠(よ)んでみる』。……子供が寝込んじゃったけど」 講師:「愚痴みたいですね。良いんですよ、俳句は自由で。最後の一言みたいのが余計だけど」 生徒:「あぁ! ちょっと悲しい気持ちになっちゃったもんで」 講師:「子供さん、風邪ですか? お大事にしてください」 生徒:「なんか、昨日夜更かししたらしくて、今日は朝から寝込んじゃって」 講師:「ただ眠いだ