グレン・グリーンウォルド『暴露――スノーデンが私に託したファイル』(新潮社) 本書については昨年末から刊行を楽しみにしていた本だが、まさか世界同時発売が実現するとは思わなかった。ただ、本書はそれだけの重要な内容を持った本である。ワタシが読んだのは Kindle 版でなく紙版で、以下ページもそちらに拠る。 本書は、2012年の末に著者のグレン・グリーンウォルドの元にエドワード・スノーデンから(当然ながら最初は偽名を用いて)メールが入るところから始まる。 しかし、話は一向に進まない。グリーンウォルドは、キンキナトゥスを名乗る謎の人物から PGP を使うよう要請されるものの、なかなか重い腰を上げないからだ。それに対して謎の人物は尋常でない親切な態度で接する。今となっては、この謎の人物、つまりはスノーデンが何者で、何のためにグリーンウォルドと安全性を確保したメール通信を行おうとしたのか明らかなのだ