子供の頃から敏感すぎる嗅覚を持っていたジョイ・ミルンはあるとき、夫からいつもと違うにおいがすることに気づいた。しかし、それが彼の病気によるものだとわかるまでには時間がかかり、夫は長い闘病生活の末に亡くなってしまう。 彼女はいま、同じような苦しみを抱える人が世界からいなくなるよう、自らの優れた嗅覚を、病の早期発見・早期治療のために惜しみなく捧げている。 きっかけは「クラスメイトのお漏らし」 6歳のときのことだ。私はクラスの男の子を辱めた。手を挙げて、先生に「○○くん、漏らしています」と言ったのだ。その子は私の2列後ろに座っていたが、私はそのにおいを強烈に感じ取ったのだった。 彼はとてもうろたえ、私の祖母は学校に呼び出された。帰宅すると、祖母は私に警告した。「あんたの嗅覚を、2度とああいうことに使っちゃいけないよ」 祖母は言った。自分と同じく、お前は遺伝的な嗅覚過敏症なのだと。つまり、遺伝的に