そしてそこで結局一番何が見えにくいかということで問題となるのが、自己愛的な脆弱性という問題が出来ます。一番見えない脆弱性としての「自己愛性脆弱性 narcissistic vulnerability」あるビニエットを紹介します。どこかに書いたかもしれません。 ある精神分析家がセッション中に居眠りをしてしまい、手の力が緩んで持っていた鉛筆が床に落ちてカラーンと落ちてしまった。患者は「寝ていましたね」と言い、治療者はとっさに「そんなことはありませんでしたよ」。そしてそれ以上は決して自分の立場を譲らなかったそうです。その分析家の慌てぶりから、おそらく彼女はふと眠りそうになったことを否認しているのであろうと感じられたと言います。それで患者はかなり分析家を信用できないということが続いたということでした。 私がはるか前に翻訳した「ある精神分析家の告白」という本の作者であるドクター・ストリーンは、一度話