2016年4月にスタートした科学研究費補助金プロジェクト「医療現象学の新たな構築」は、過去6年にわたって実施された科研費プロジェクト「ケアの現象学の基礎と展開」と「ケアの現象学の具体的展開と組織化」を土台にして、哲学、看護学、社会福祉学の研究者に医師を加えるかたちで組織された研究プロジェクトだ。今後、国を挙げて推進されていく在宅医療や地域包括ケアに向けた、よりよい医療の実践を哲学的に基礎づけ、方向づけることを目指している。 代表者の榊原哲也氏(東京大学)は次のように説明する。「〈ケアの現象学の基礎と展開〉では当初、現象学という哲学を看護や社会福祉の領域に応用するという考えを私は持っていましたが、研究を遂行するうちに、そうではないことに気がつきました。現象学とはもともと、事象そのもののほうから分析や方法を立ち上げてきた哲学ですから、ケアの現象学も現場でのケアの営みという事象そのもののほうから
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週刊誌が比較的安価にオンラインで読めるようになって、週刊現代といった雑誌もざっと目を通すようになった。週刊ポストのほうに曾野綾子の連載があるのは知っていたが、週刊現代のほうにもあるのを見つけ、そしてそのテーマが夫・三浦朱門の介護であるのを知って少し興味をもった。彼ももう90歳でボケてもいいころではあるが、彼の友人の阿川弘之などは90歳でも明晰だったなとか思い出し、調べ直すと、阿川はボケはないものの90歳で介護が必要になっていた。まあ、そういうものだろう。 曾野綾子自身は85歳で、先の文章を読んでもまだ気迫がある。というか、ちょっとありすぎるかなと、先日の同コラム『自宅で夫を介護する』の第3回で思った。 話は表題通り、夫・朱門を自宅で介護するというものだ。率直なところ、それは無理じゃないかなあと思った。タレント兼エコノミストの森永卓郎も当初自宅で親の介護をしようとしたが断念した話をどこかで読
4月7日、セブン&アイ・ホールディングスの2016年2月期決算を説明する記者会見の会場は、異様な雰囲気に包まれていた。 かねて、同社の鈴木敏文会長兼CEO(最高経営責任者、83歳)は、傘下でコンビニエンスストア事業を手掛けるセブン-イレブン・ジャパンの井阪隆一社長兼COO(最高執行責任者、58歳)に対し、退任を求めてきた。4月5日に開かれた指名・報酬委員会では、井阪社長の退任と新たな人事案について、鈴木会長とセブン&アイの村田紀敏社長兼COO(最高執行責任者、72歳)、社外取締役2人の計4人が、5時間に渡る議論を重ねた。それでも結論は出ず、7日の取締役会で、井阪社長の退任を含めた人事案が諮られることになった。 結果は、賛成7票、反対6票、白票が2。取締役15人の過半の賛成を得ることができず、鈴木会長の提案した人事案は否決された。これを受けて、鈴木会長は退任を決意したという。午後4時半から開
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