著者:アントニオ・タブッキ翻訳:須賀 敦子出版社:白水社装丁:単行本(234ページ)発売日:1998-08-01 ISBN-10:456007125X ISBN-13:978-4560071250 内容紹介: 現代イタリア文学の旗手アントニオ・タブッキが、見事に〈逆さまゲーム〉でありながら、頭脳的なゲームにおわることなく、ふかい人間的な感動をともなう世界をノスタルジックに描く。けだるい日曜の朝、ドリス・デイの「ケ・セラ・セラ」の歌声が、「ヴォラーレ」のメロディーが聞こえてくる。 〈インドで失踪する人はたくさんいます。インドはそのためにあるような国です〉 アントニオ・タブッキの『インド夜想曲』(白水uブックス)でこの文章にあたった時、わたしは主人公と共に「まったく」という賛同の言葉を発したものである。大学で印度哲学を学んでいた頃、実際に彼の地で失踪した知人を何人か知っているからだ。いや、正確