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精神と神経科学に関するhystericgrammarのブックマーク (3)

  • 他者性の問題 111 一つの体験はN次元上の一点である

    Edelman とTononiの「心は一つ」という考えをもっとも端的に示しているのが、「神経参照空間neural reference space」(p.164)という概念で、これは特定の心理現象の際に活動している神経細胞群をさす。そしてこの空間はN次元であるとする。ところがこのNはその体験に付随している神経細胞の数であり、それを彼らは103~107 と表現している。すると一つの体験はこのN時空間の一点に表されるということになる。そしてある瞬間の体験が唯一の点として表される以上、その心が部分であると考えることに何の意味もないことになるのだ。 このN時空間という考え方がぴんと来ない場合には、次のような例を考えると良い。私達はさまざまな色を知っているし、体験している。しかしそれは網膜上の三種類の円錐細胞(それぞれ、赤、青、黄色に反応する)の強度の組み合わせにより決まっている。 Calvin, W

    他者性の問題 111 一つの体験はN次元上の一点である
  • 他者性の問題 104 ダイナミックコアモデルについての説明部分の推敲

    他者性の神経学的基盤 心とは神経ネットワークである 章では書でテーマとなっている「他者性」にどのような生物学的な裏付けがあるのか、そしてDIDにおいて交代人格が成立する際にそれがどの様な実態をともなっているかについて考える。ただしそれは大変難しいテーマでもある。心とは何か、それが脳の組織とどのように関係しているかは、David Chalmers の言う「難問 hard problem 」に関わる問題である。そこに様々な仮説は存在していても、一つの正解を見つけることはできない。その上にDIDで問題となるような、心が複数存在する際のモデルを考えるとなると、これは不可能に近い。だから章の内容はあくまでも仮説であり、私の想像の産物であることをお断りしたい。ちなみに現在の医学関係の学術論文はそのほとんどが「量的研究」と呼ばれるものであり、そこでの科学的なデータが極めて重要な意味を持つ。いわゆる

  • 他者性の問題 86 解離性障害と差別の章の加筆

    解離性障害の場合はどうか? さて同様の議論は解離性障害についても当てはまると私は考える。解離はその定義を広くとるならば、意外と日常生活で体験されているものなのだ。以下に前々書(岡野、解離性障害 岩崎学術出版社、2007年)で紹介したColin Ross (1997) の表を再び示そう。 心理的な(機能性の)解離と生物学的な(器質性の)解離(C.Ross, 1997) Ross, C.A. (1997) : Dissociative Identity Disorder. Diagnosis, Clinical Features, and Treatment of Multiple Personality. Second edition. John Wiley & Sons, Inc. New York この表に示されたとおり、健常な解離は夜中に短時間覚醒した際、あるいは日中覚醒時にボーっと夢

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