Edelman とTononiの「心は一つ」という考えをもっとも端的に示しているのが、「神経参照空間neural reference space」(p.164)という概念で、これは特定の心理現象の際に活動している神経細胞群をさす。そしてこの空間はN次元であるとする。ところがこのNはその体験に付随している神経細胞の数であり、それを彼らは103~107 と表現している。すると一つの体験はこのN時空間の一点に表されるということになる。そしてある瞬間の体験が唯一の点として表される以上、その心が部分であると考えることに何の意味もないことになるのだ。 このN時空間という考え方がぴんと来ない場合には、次のような例を考えると良い。私達はさまざまな色を知っているし、体験している。しかしそれは網膜上の三種類の円錐細胞(それぞれ、赤、青、黄色に反応する)の強度の組み合わせにより決まっている。 Calvin, W
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