聖ゲオルギオス像の前で、記念撮影をする地元のキリスト教徒たち=パレスナ自治区ベツレヘムで2014年1月、筆者撮影 ジョージ、ときいて、あなたならどんな人物を思い浮かべるだろうか。読書家ならジョージ・オーウェル、ロック好きならジョージ・ハリスン、映画好きならジョージ・クルーニー。いずれもイギリス人やアメリカ人なのは、その名の由来となった聖ジョージが、イングランドの守護聖人であり、キリスト教の殉教聖人でも屈指の人気を誇る存在であるからにほかならない。 しかしその聖ジョージことゲオルギオス、実はイングランド人ではなくパレスチナ人だと言ったら、驚かれるだろうか。パレスチナには、彼の母親がパレスチナ人であり、聖人自身も幼少期をパレスチナで過ごしたという伝承があるのだ。 ローマ帝国時代最後のキリスト教徒大迫害で殉教したとされる彼の墓は、現在はイスラエル領にあたるリッダという町にある。墓所に建てられたギ