見かけのユーザビリティの研究が語っていることを教訓的にまとめると、「デザイナーは、まず実質的なユーザビリティの向上を目指すべきであり、その後、可能なかぎり見かけのユーザビリティを高めるべく、審美性の向上を目指すべきだ」ということになる。 黒須教授 2022年11月8日 研究を始めた経緯 実は、筆者は、日立製作所の中央研究所からデザイン研究所に移籍した当時、世間のプロダクトデザイナーたちが美しさや格好良さなどの見た目の魅力を増そうとして努力していることに、一種の憤慨を覚えていた。いや、美しさや格好良さは悪いことではない。しかし、中央研究所でヒューマンインタフェースの研究をしてきた自分としては、審美性もさることながら、もっと使いやすさやユーザビリティにも力を入れるべきではないかと思っていたのだ。 それでも、デザイン研究所に在籍してしばらくするうちに、「認・操・快」というキーワードをプリントした
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