“その人らしさ”を支える特養でのケア 第47回 認知症利用者の “手づかみ”の食事風景に思うこと 私たちは食事の際に、箸やスプーン、フォークといった食具を使用します。それはご利用者ももちろん同様です。しかし、認知症の方のなかには食具には目もくれず、手づかみで食べる方がいます。そのようなケースはどのようにサポートするのか?当施設での事例を紹介します。 手づかみで食事をとることの是非 ご利用者の食事風景を観察しているといろいろな場面に出くわします。 ほとんどの方が箸やスプーン、リハビリ用スプーンなどを利用して召し上がっていますが、食べにくそうだな、と思う場面も多々あります。 通常、私たちは食べる物を見て「どの道具を使うと食べやすいか」を判断して食具を選びます。たとえばカレーライスを食べる時にはスプーンを選びますし、そばやうどんを食べる時は箸、スパゲティならフォーク、おにぎりは手づかみ、といった