中国株式市場で白酒メーカー、貴州茅台酒の勢いが止まらない。株価は1400元台と上場来高値圏で推移し、中国市場で最大規模の存在感を誇る。新型コロナウイルスの収束で個人消費が回復し、白酒の需要が増えるとの期待が株価を押し上げているが、金融緩和でカネがあふれるなか、価値の下がらない希少な「資産」として買われている面も大きい。 ■市場は白酒の話題で持ちきり QUICK・ファクトセットのデータによると、貴州茅台酒の人民元建てA株の時価総額は6月1日に1兆7830億元(約27兆円)に達した。国営の中国工商銀行の1兆7980億元(人民元建てA株と香港ドル建てH株の合計)に並ぶまで150億元に迫った。6月2日には一時、中国工商銀行を超えた――。市場は白酒の話題で持ちきりだ。 株高の背景には、白酒市場の回復がある。中国証券報によると、5月の白酒のオンライン販売額は前年同月比2.6倍の5億3000万元。このう