『数学ガール』に続く青春数学恋愛小説の第2作目。副題のとおりにフェルマーの最終定理が今回の主要な題材となっています。なお,フェルマーの最終定理のワイルズによる証明は学生時代に大きく取り上げられたこともあり,自分にとっては想い入れの深い題材でもあります。 数学を通じて“僕”と3人の少女たちの心の交流が描かれる素敵な青春小説の第2作目です。前作で登場したミルカさんとテトラちゃんに加えて,“僕”の従妹のユーリが新たに仲間入りし,より華やかになっているのが嬉しい。相変わらず,数学部分はほぼ流し読みに近い状態ではありますが,それでも十二分に楽しむことが出来ます。勿論,数学的な素養があれば,尚一層楽しめることでしょう。己に数学力が欠如していることに忸怩たる想いはありますが,それは言っても詮無きこと。それよりも素直に4人の心の軌跡を辿る方が前向きかと思います。ちなみに今回扱われる題材は副題となっているフ