新しい万能細胞「STAP細胞」を巡る一連の論文不正疑惑で、繰り返し指摘されたのが「コピペ(コピー・アンド・ペースト、複写と張り付け)」だ。研究の分野では「盗用」と呼ばれる不正の一つ。それを事前に見抜くチェックシステムやソフトを導入する動きが広がっている。不正が1件発覚すれば所属機関の損失は5000万円に上るとの試算があり、論文の質向上だけでなく危機管理の側面も強い。【八田浩輔】 日本医学界の頂点、東京大医学系研究科をはじめ国内の研究機関が相次いで、世界最大の論文盗用検知システム「iThenticate」(アイセンティケイト)を導入し始めている。そのデータベースは約3800万本の論文・文献、学術分野以外も含む約430億のウェブページを集積。調べたい論文の電子ファイルを送信するとデータベース内の文章と似た文章、元の文献を探し出し一致率を表示する。無料公開されていない論文や文献なども網羅してい