漢詩の会、そして幕切れの手紙。古典を絡めつつ、見る者の胸を熱くするとびきりロマンチックなシーンが続きました。初対面のまひろ(紫式部)と、ききょう(清少納言)という歴史に残る「二人の才女」がやり取りした内容も実はなかなか意味深。今回も話題豊富の「回想」です。まずは道長が「漢詩の会」で披露した歌を紹介しましょう。(写真は注記のあるものを除き、すべてNHK提供) まひろへの秘めた思い、白楽天の歌に込め 名高い唐の詩人、白楽天(白居易)(772‐846)のものです。日本の宮廷ではとりわけ愛された白楽天。「源氏物語」にも引用が多数見られます。この詩の意は以下の通りです(明治書院 新釈漢文大系「白氏文集 三」より)。 重陽の節句に賜った菊花酒は杯に満ちているが、一体誰と一緒にこれを飲むというのか。 宮廷に生える菊花を掌にいっぱいつかんで、一人ぽつねんと君を偲ぶ。 君を偲びつつじっと菊花のそばに立ち、