Apple Watchとは腕時計型の情報端末なのか、はたまた腕時計なのか。ネットでの議論を見る限り、解釈は大きく分かれている。しかしケース(デジタルの世界でいうところの筐体)の製法とその完成度を見る限り、Apple Watchは、生中な時計以上に「らしく」できている。Appleは、40年前のハイテク企業が犯した轍を、絶対に踏むまいと考えたに違いない。 1970年代半ば、LCD計算機などで成功を収めた当時のハイテク企業は、余勢を駆ってデジタルウォッチの製造に参入した。Texas Instruments(TI)、National SemiconductorにIntel。当時のスイス時計産業が感じた脅威は、今のApple Watchの比ではなかっただろう。事実、当時の関係者は、「米国製のハイテクウォッチがスイスの時計産業を駆逐する」とさえ放言した。しかし実際はそうならなかった。腕時計の外装には、