10年続けた第7代国連事務総長を、今年限りで韓国の潘基文前外交通商相(62)に引き継いで去るコフィー・アナン氏(Kofi Atta Annan・68歳)が、退任を前にした12月4日、英BBCの会見に応じ、イラクの情勢について「今や内戦というべき状況」と語った上、「残酷な独裁者がいた時の方が、今よりマシだと国民が考えたとしても、理解できる」と発言した。 この発言は、早速、世界に伝えられ、賛否交々の反響を呼んだ。殊に、隠された大量破壊兵器を見つけ出して無力化し、サダム・フセイン政権の独裁体制を倒して、イラクに民主制度を植え付けることを「侵攻の大義名分」としてきた米英両政権や、その判断に従った日本やイタリアの“おバカさん政治家”たちを、たいそう怒らせた。だが、怒る方がおかしくはないか。 彼らは、民主制度だけが、人間の知恵が作り出した唯一最高の政治システムだと思い込んでいるのだが、違わないか。人民