9月11日、朝日新聞社の木村伊量社長は記者会見を開き、「吉田調書」報道の取り消しを表明、それを前面に打ち出して謝罪した。同時に一連の従軍慰安婦検証報道で誤報を認めながら謝罪しなかった点と、それに関するジャーナリスト・池上彰氏のコラム掲載見合わせ問題についてもお詫びした。 一連の騒動勃発から謝罪に至るまでの経緯の裏側には、朝日社内における読者不在の反省なき権力闘争があり、今も続いている。 そもそも朝日社内では、この「吉田調書」報道をめぐっては、世間から批判を受ける前にも社内バトルがあったといわれる。それは、2014年新聞協会賞申請をめぐる争いだ。申請にはまず社内選考があり、「徳州会から猪瀬直樹東京知事への5000万円献金疑惑」と「吉田調書入手」の2つのスクープが候補となった。前者は社会部、後者は特別報道部の担当である。まだ歴史が新しい特別報道部は、権力の監視を主に行う「調査報道」が中心の部署
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