球団買収、ドラフト、CS開幕とプロ野球がメディアを賑わすシーズンになってきた。そのかげでひっそりと球界を去る者もいる。戦力外通告された男たちである。後ろ姿を、ノンフィクション・ライターの神田憲行氏が追った。 * * * 監督でも一流選手でもない彼らの消息はほんの数行の記事にしかならない。しかしそこには人生の一大転機が込められている。 戦力外通告になっても現役続行を希望する者は、オフに二回ある「トライアウト」という合同練習に参加するチャンスがある。クビになった選手同士の対戦を各球団編成部の「中途採用担当者」たちが観戦、自分のチームに必要となれば引っ張る。 中日にドラフト一位で入団して戦力外通告を受けた森岡良介選手も、トライアウトですぐヤクルトに引っ張られた。現在は一軍で活躍している。 「でもトライアウトなんて、アテがないと、受けてもほとんど意味が無いんですよ」と、今年戦力外通告になった選手が
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