【目的】水の硬度は地域によって異なり、調理特性に何らかの影響を与えると考えられている。天ぷらではカラッとした軽いテクスチャーの衣が望まれるため、衣の調製は冷水(15℃)を用いて小麦粉をさっくりと混ぜ合わすことでグルテン形成を抑制する必要がある。そこで本研究では天ぷら衣の調製に使用する水に着目した。天ぷら衣の調製に軟水と硬水を用いて衣を揚げ、官能評価および衣の破断強度を測定し、食感に及ぼす影響について検討した。 【方法】天ぷら衣として薄力粉60gに15℃の水90mlを加え15回撹拌したバッターを用いた。水は硬度20の軟水と硬度1468の硬水を使用した。この種を鍋に約3gずつ20個投入し、170℃で4分間揚げた。水を加えた直後(放置時間0分)の衣と15分放置した衣を調製し、揚げ上がり10分後の衣4種類を試料とした。これらの衣について、20歳代の大学職員および学生を被験者として7段階評点法、順位