(英エコノミスト誌 2010年2月27日号) 銀行にとっての次なる大問題が水平線上に現れた。 米国の大手銀行ウェルズ・ファーゴのCFO(最高財務責任者)、ハワード・アトキンズ氏は最近、金利リスクを心配するあまり睡眠不足になることなどないと語った。「もっとも、激務ゆえ、そもそも毎晩1時間しか眠れないのだけどね」と冗談を飛ばしながら。 規制当局も不安を抱き始めている。先月、米国の複数の政府機関が、銀行は短期金利の上昇に備え、金利リスクの管理を強化する必要があると警告した(短期金利は金融危機のピーク時にゼロ近くまで引き下げられ、今もその水準に据え置かれている)。そして彼らは銀行に対し、自社のストレステストに最大4%の急激な金利上昇を盛り込むよう迫った。 そこまで劇的な金利上昇は誰も予測していない。米連邦準備理事会(FRB)は、今後も超低金利を「長期間(extended period)」継続すると