三井物産と東京ガスは共同で、スペインの大手ガス会社がメキシコで運営する5カ所の火力発電所を買収する方針を固めた。買収額は1千億円を上回る模様だ。経済成長を背景にメキシコの電力需要は高い伸びが期待でき、両社は将来にわたって安定した収益が見込めると判断した。 両社は、スペインのガスナチュラル社と買収額などについて最終調整している。自己資金に加え、国際協力銀行などの融資も受ける方向だ。 5カ所の発電所はいずれも燃料に天然ガスを使い、メキシコ電力庁との間で約20年間の売電契約が結ばれている。5カ所合計の発電出力は約200万キロワットにのぼり、人口60万人程度の中核都市の電力をまかなう規模になる。 メキシコでは、世界の大手エネルギー会社などが発電所の買収や建設事業の受注に競って乗り出している。三井物産はこれまで、沿岸部に液化天然ガスの貯蔵ターミナルを構え、発電所への燃料供給に力を入れてきた。今