神の采配? 07年に発見された海底油田の操業開始を喜ぶルラ大統領(中央、10月7日) Sergio Moraes-Reuters 07年に大西洋のブラジル沖で大規模な海底油田が発見された際、同国のルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ大統領は神の采配だと言った。それだけではない。「その神はブラジル人だ」とか、石油資源はブラジルの「未来へのパスポートだ」などと大はしゃぎ。 その未来への扉が今まさに開こうとしている。ブラジルの国営石油会社ペトロブラスがいよいよ、トゥピ油田で石油の商用生産を開始するからだ。トゥピ油田はブラジル沖にある埋蔵量数十億バレルと言われる油田の1つだ。 海岸線から300キロ以上、水深数千メートルのところにあるこれらの油田は、過去数十年間で発見された中では最大規模のものだと言われている。うまく利用すれば、ブラジルに富をもたらしこの国を世界トップクラスの産油国に押し上げる可能性を秘