警察官が身分を明かさずにお茶を飲ませて、DNAを採取した捜査方法が違法かどうかが争われた裁判で、東京高裁(植村稔裁判長)は8月下旬、「捜査は違法」と認定し、男性被告人に対して一部無罪の判決を言い渡した。 報道によると、路上生活をしていた男性は2010年と2013年、工事現場の事務所から現金を盗んだとして、窃盗と建造物侵入の罪に問われていた。男性側は、埼玉県警の警察官が身分を明かさずお茶をすすめて、紙コップからDNAを採取して逮捕したとして、「違法捜査だ」と主張していた。 植村裁判長は「DNAをむやみに採取されないことは重要な利益で、令状なくDNAを採取したのは違法」と判断。2010年の事件については無罪、2013年の事件については懲役1年10カ月の判決を言い渡した。 一方で、一審・さいたま地裁は「捜査は適法」と判断していた。今回のような捜査手法が、違法にあたるのかどうかの判断の分かれ目はど