環太平洋連携協定(TPP)の交渉会合が始まり、十二カ国の担当閣僚が年内妥結に向けて協議の加速を確認した。遅れて参加した日本の持ち時間は少ない。「攻めの交渉」を貫く覚悟を求めたい。 ブルネイで行われている今回の交渉会合は、米国や日本、豪州など十二の参加国の担当閣僚が年内妥結の決意を盛り込んだ共同声明の発表を優先させた。声明は年内妥結にこだわる米国の要請を受けてのものだ。 米国は十月の首脳級会談で大筋合意し、年内妥結のシナリオを描いている。オバマ政権は米中央情報局元職員が内部告発した国家安全保障局による個人情報入手などが国民を失望させ、支持率が大きく低下した。来年秋の中間選挙に向け、TPP交渉の妥結を成果として訴えたいとされる。