庁舎内の人件費の張り紙をはがした元係長の男性(45)を懲戒免職にした阿久根市の竹原信一市長の処分を違法と判断した9日の鹿児島地裁判決。自治労県本部の幹部や弁護士らは「当然の判決」とする一方、これまで市長が司法判断に従っていないこともあり、「判決は通過点に過ぎない」と厳しい表情も見せた。 「懲戒免職処分を取り消す――」 牧賢二裁判長が主文を読み上げた直後、男性の支援者が「勝訴」と記した紙を掲げて地裁前に飛び出すと、集まっていた組合関係者から大きな拍手が起こった。 自治労県本部に場所を移動して行われた記者会見で、男性は笑顔で関係者と勝訴を喜び合ったが、「勝訴しても今までの生活と変化はないでしょう」とも語った。 免職になって約8か月。ほぼ毎朝、市役所に登庁しているが、帰宅を命じられ、自宅で待機する日々を送っている。終業時刻の午後5時15分までは、いつでも職場に復帰できるように行政関係の勉強などを