ちなみに現在、問題となっている尖閣諸島については何度も現地調査を実施し、「国際法上、いずれの国にも属していない無主地である」ことを確認したうえで1895年1月14日に閣議決定を行い、日本領土(沖縄県)に編入している。 沖縄の帰属問題を解決したからこそ尖閣諸島も日本領に編入することができたわけだ。もし大久保利通が、国内の政治的混乱や国際社会の反対を理由に、台湾出兵を決断しなかったら、沖縄と尖閣諸島の帰属問題はその後も外交問題になっていたかもしれない。言い換えれば、大久保利通のような指導者がいたから、沖縄も尖閣諸島も日本領になっているのだ。そして、この問題は過去の話ではない。 台湾出兵の契機となった、台湾で殺害された宮古島の島民のお墓が沖縄県那覇市にある「護国寺」の一角に建立されている。「台湾遭遇者之墓」と刻まれたこの墓碑は、近代史において重要な史跡なのだが、日本人の大半がその存在を知りもしな