Web小説を転生の発明以前と以後に分けたとき、境目の「転生」が二つあることはご存知でしょうか? 一つは一次創作シーンの「異世界転生」(2011年)であり、もう一つはそれを準備した二次創作シーンの「転生オリ主」(2008年)です。 このエッセイでは二次創作シーンを主題とし、転生オリ主がいかに発明されたかを解き明かしていきます。 『エヴァ』SS(1995年)の時代から二次創作の歴史を辿り、逆行・憑依・転移・魔改造主人公・オリ主など、数々の「魅力的」な(今では当たり前となった)発明を再考してみましょう。 さらに夢小説について考察します。夢小説は異世界転生の歴史語りでしばしば言及されながら、これまで体系的に論じられることはありませんでした。 2004年頃すでに定着していた「トリップ夢主」は、果…続きを読む