文・上島寿子 撮影・岡山寛司 協力・「御田町 桃の木」小林武志、山本眞也、宮城大学 食産業学部准教授 石川伸一 炒飯の迷宮――。人はそう呼ぶかどうかは知らないが、登板回数は多いのに軸足が定まらないのが炒飯づくりだ。「冷やご飯でつくるといい」との意見に従いつつも、「炊きたてのご飯に限る」との声に流されたり。手順でも「卵が先かご飯が先か」という難問が立ちはだかり、炒め時間、火加減、炒める道具、具材、味つけに至るまで諸説紛々、正解が見えない。 そんなラビリンスの出口を求め、炒飯大実験を敢行。そもそも炒飯づくりが混迷を極めるのは、ご飯問題、卵問題などが国会審議のように混ぜこぜになっているから。ご飯ならご飯に的を絞った“素炒飯”をつくり、比較・検証すれば自ずと答えが見えてくるはず。あ、ここで言う素炒飯とはですね、ご飯、卵、ねぎ、塩だけの超シンプルな炒飯のこと。余計な要素が入らない分、味や食感の違いが