書籍をスキャナーで読み取って電子化する「自炊」代行業は著作権法に違反するとして、作家の浅田次郎さんら7人が東京都内の代行業者に事業の禁止などを求めた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)は16日付の決定で、代行業者の上告を退けた。 代行業者側に事業の禁止と70万円の賠償を命じた1、2審判決が確定した。自炊代行業を禁止する判決が最高裁で確定したのは初めて。 自炊代行業は、顧客から送られた書籍を裁断し、スキャンして電子化するサービス。著作権法では、私的利用を目的に自ら複製することは認められている。 訴訟では、複製の主体が業者または個人なのかが争点となり、業者側は「顧客の手足となって複製しただけだ」と主張。しかし、1審・東京地裁判決、2審・知財高裁判決とも「営利目的で行っており、顧客は全く関わっていない」などとして、複製の主体を業者と認定し、著作権侵害と判断した。