東京電力福島第1原子力発電所から、高濃度の放射性物質(放射能)に汚染された水が海に流れ続けている。4日には、低レベルの放射性物質を含む廃液を大量に放出することが決まり、海の汚染がさらに広がるのは避けられない。健康への影響は今のところ確認されていないが、東電は分析にミスがあったとして海水の汚染データの公表を一時中断し、同日から再開するなど肝心のデータの信頼性にも疑問が生じている。 厚生労働省は4日、茨城県北茨城市の漁協で水揚げされた「コウナゴ」から、1キロ当たり4080ベクレルの放射性ヨウ素131が検出されたと発表した。 放射性ヨウ素131は、福島第1原発周辺で、基準値を大きく超えて検出されている。ただ、壊れて放射能が半分になる「半減期」が約8日と短いことなどから、国際評価でも魚や肉に関する暫定基準値は定められていない。原子力安全委員会も、「水を通して摂取するよりも、体への影響は小さい」