「普通」の大学を出て「普通」の仕事に就けば、結婚できて子どもも二人ぐらいは持てる。マイホームも買って、老後もなんとか暮らしていける……かつての日本ではこれが当たり前だった。だが、令和の現在ではどうだろうか。 厚生労働省「国民生活基礎調査」によると、日本の所得の平均値は552万3000円だが、中央値は437万円。しかも、平均所得額以下の世帯が61.1%を占める。年収437万円で、一家4人を養うのはなかなか厳しいものがある。20~30歳代の若者ならば、(よほどの大企業でない限り)月収は額面で24万円(手取りは20万円弱ぐらい)、ボーナスが2ヵ月分ぐらいで、だいたい年収320万円ぐらいというのが多数派だろう。一人暮らしができず、実家暮らしを選択する人も多い金額だ。ランチは基本的にワンコインかお弁当。服はユニクロだが、時にユニクロでさえ高く感じる……という暮らしぶりである。 これまで「貧困」という