彼女のことが好きすぎる。 * * * これまでお付き合いとかしたことなかったし、片想いすらしたことなかった僕が抱える、はじめての気持ちだった。 去年の11月。文化祭期間、ひょんなことから、キャンパスの近くのファミレスで、ふたりで夕食を一緒に食べた。 女性と1対1でご飯を食べるのも、はじめてに近かったかもしれない。 でも、想像したより「恥ずかしさ」みたいなものはやってこなくて、ただひたすらに、楽しかった。 いつの間にか、話は哲学的なところまで行っていて、人生を生きていく方法の話とか、何かを記憶する時の方法の話とか、恋愛とは、結婚とは何か、とか、そういうことをずーっと語り合っていた。 一度だけ、めちゃくちゃ僕が興奮して(互いの価値観の一致に)、握手をしたことだけ覚えている(後で彼女に、隣のテーブルの人にめっちゃ見られてたよ、と言われた)。 トイレに行くどころか、水を取りに行くことすら忘れて、語