心臓の拍動や呼吸から、歩く、走るといった動作、そして物事を考えて決断する――。 これらはすべて「脳」がつかさどっていることはご存じの通り。燃えるような恋心も、胸がしめつけられる切なさも、恥じらいもイタみも「脳」によって生まれる感情です。 大人にもなれば、自分のなかで生まれるさまざまな感情とうまくつきあっていかなければいけません。脳のプロフェッショナルは、どのように自分を客観視し、脳のコントロールをしているのでしょうか。今回は脳科学者である中野信子さんにお話をうかがいました。 「自分は異質」と5歳で気づいていた東大、そして東大大学院を出てフランスの研究所に勤務。熱心に脳科学研究をおこない、現在は著書やテレビなどでもその優秀ぶりを発揮する中野さんですが、そもそもなぜ脳科学や心理学の道を歩もうとしたのかはとても気になるところです。 「きっかけは5歳の頃に自分を"異質"だと悟ったことですね。友だち